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田中 忠夫; 小川 弘道; 村岡 進
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.663, p.1169 - 1177, 2001/00
海岸砂質土壌及び赤色土中におけるAm(III)の移行挙動をカラム実験によって調べた。可逆的なイオン交換吸着が支配的な赤色土中におけるAmの移行挙動は、分配係数の概念を吸着モデルとして評価できた。一方、非陽イオン性Am化学種の形成や非可逆的な吸着が認められた海岸砂質土壌中におけるAmの移行挙動は、分配係数では解釈できず、粒子状Amのろ過に基づく吸着モデルで説明できることを明らかにした。
坂本 義昭; 長尾 誠也; 小川 弘道; Rao, R. R.*
Radiochimica Acta, 88(9-11), p.651 - 656, 2000/09
被引用回数:11 パーセンタイル:59.85(Chemistry, Inorganic & Nuclear)放射性廃棄物の処分に際しては、アクチニドの地中での移行挙動を把握することが重要となる。この移行挙動は地下水に溶存している腐植物質の影響を受けることが知られている。本研究では、アクチニドの中で重要なネプツニウムを取り上げ、砂質土壌及び粉砕した花崗岩を詰めたカラム中での移行挙動に及ぼす腐植物質の影響について調べたものである。その結果、砂質土壌及び花崗岩の両者において、分子量の小さい腐植物質(フルボ酸)を添加した場合には移行が促進されたが、分子量の大きな腐植物質(フミン酸)を添加した場合には移行が遅くなる現象が観察された。これらの結果は、腐植物質自身の土壌等への吸着性能の違いなどを反映しているものと思われ、腐植物質のネプツニウムの移行挙動への影響は、その種類により異なることを明らかにした。
小嵐 淳; 天野 光; 安藤 麻里子
JAERI-Research 2000-028, 24 Pages, 2000/07
H-3,C-14等の放射性ガスの地表循環挙動を解明するために、希ガスであるラドンを用いて、土壌からのガスの湧出挙動を解析した。土壌からのラドン散逸への環境因子の影響を調査するために、日本原子力研究所・東海研究所の砂質土壌で、密閉チェンバー法によるラドン散逸率の連続測定を行った。ラドン散逸率と環境因子の相関解析の結果、土壌表層から20cm程度までの深さの体積含水率が土壌からのラドン散逸率に支配的に影響を及ぼしていることが示され、高含水率でより大きなラドン散逸率の減少を導いた。土壌が乾燥している状態では、大気圧の変化量もラドン散逸との間に負の相関関係が認められ、短時間の気圧の変化は地表面近傍環境におけるガス輸送に影響を与えていることがわかった。また、大気-土壌間の温度差との関連性も見られ、温度勾配によるガス輸送の考慮が必要であることが示された。放射性希ガスであるラドンを対象とした本研究によって、ほかのガス状物質の表層土壌中輸送や地表面における湧出・沈着挙動に関する基礎的な情報が提供された。
長尾 誠也; R.R.Rao*; R.W.D.Killey*; J.L.Young*
Radiochimica Acta, 82, p.205 - 211, 1998/00
カナダ原子力公社チョークリバー研究所で採取した砂質土壌と地下水有機物を用い、溶存有機物存在下でのEuの砂質土壌における移行挙動をカラム実験により検討した。本研究では有機物の影響を詳細に調べるため、Aldrich社製フミン酸、河川水フミン酸・フルボ酸を参照有機物として用いた。Eu-152を含むpH5.5、イオン強度0.01M過塩素酸ナトリウム溶液を砂質土壌を詰めたカラム(内径2.5cm、長さ2.5cm)に1ml/minの流速で流し、溶出液のEu-152放射能濃度、有機物濃度を測定した。その結果、溶存有機物が存在しない系において、Euはカラムの空隙の90倍の溶液を流しても溶出液に検出されなかったが、有機物存在下において溶出液にEuが検出された。Euの最大相対濃度は河川水フルボ酸地下水有機物河川水フミン酸≒Aldrichフミン酸の順に大きくなった。これは、Euの移行性の増加がEuと有機物との錯体の分子サイズに支配されていることを示唆している。
田中 忠夫; 山本 忠利
JAERI-Research 94-010, 30 Pages, 1994/08
天然バリア中における放射性核種の正確な移行評価手法の確立に資するため、Co、Sr及びCsの砂質土壌中における移行挙動に及ぼす自然環境下の通気層中で生じる降雨と蒸発の繰り返し(乾湿サイクル)による水の不連続な流れの影響を実証的に調べる環境シミュレーション試験を実施した。乾湿サイクル条件下においては、流れの停止期間中にSrの土壌への吸着能を減少させる間隙水中のCa濃度の増加が生じるため、陽イオン性Srの移行性が増大した。陽イオン性Co及びCsの移行性には乾湿サイクルの影響はみられなかったが、流れの停止期間に土壌層中を移行しやすい{Co(OH)}nや、土壌中微細粒子に固定されたCs化学種の生成が進むため、粒子性Co及びCsの土壌層深部への移行量が増大した。
田中 忠夫; 山本 忠利
Radioisotopes, 43(7), p.389 - 396, 1994/07
自然環境の通気層中に生じる不連続な水の流れの条件下におけるSrの移行挙動を明らかにするため、Srで汚染させた砂質土壌層へ脱イオン水を断続的に流下するカラム移行実験を行った。流れの停止回数が増すに従って、陽イオン性Srの土壌層中移行速度は増大する傾向を示した。この原因は、土壌から間隙水中へ溶出するCaの濃度が流れの停止期間に増加することにより、Srの分配係数が減少するためであるとみなされた。土壌層流出液のCa濃度から推定したSrの分配係数と土壌層におけるSrの移行速度から得た分配係数とは、流れの停止回数に伴う減少傾向がよく一致した。
田中 忠夫; 山本 忠利
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(4), p.308 - 313, 1994/04
被引用回数:4 パーセンタイル:42.35(Nuclear Science & Technology)自然環境の通気層中においては、降雨と蒸発の繰り返しによる地中水の不連続な流れが生じる。不連続な流れの下での放射性核種の移行挙動を明らかにするため、Coで汚染させた砂層へ脱イオン水を断続的に流下するカラム実験を行い、通気層中でのCoの移行挙動に及ぼす水の流通と停止との繰り返しの影響を調べた。水の流れの停止回数が増すに従って砂層深部におけるCoの濃度が増大した。これは、流れが停止している間に残留間隙水のpHが土壌のpH緩衝効果によって高くなったことにより、移動しやすいCo(OH)の形成が進行したためであると考えられる。砂層深部まで移行する非陽イオン性Coの分布状態は、清澄濾過モデルの適用によって説明できた。砂層中で発生するCo(OH)量の推定から、1回の流れの停止によって陽イオン性Coの約1%がCo(OH)に転換されるという結果を得た。
田中 忠夫; 大貫 敏彦
Geochemical Journal, 28(5), p.369 - 376, 1994/00
被引用回数:5 パーセンタイル:15.98(Geochemistry & Geophysics)バッチ実験で測定したCsの分配係数に及ぼす土壌量と水溶液量との比(固/液比)の影響を海岸砂質土壌、カオリン及び石英砂の3種類の土壌について調べた。3種類の土壌についてのCsの分配係数は、固/液比が増大するに従って減少した。このとき、土壌から水溶液に溶出した陽イオンの濃度は、固/液比にともなって変化した。しかしながら、共存する陽イオンの濃度を10mol/lと一定に保った場合、Csの分配係数は固/液比の影響を受けなかった。これらの結果は、固/液比はCsの分配係数に直接的な影響を及ぼさないが、固/液比に基づく土壌からの溶出陽イオン濃度の変化が分配係数の変化を生じさせたことを示した。
大貫 敏彦
Radiochimica Acta, 64, p.237 - 245, 1994/00
砂質土壌及び土壌成分へのストロンチウムの吸着特性を吸着・脱離実験により検討した。その結果、土壌成分への吸着特性に基づいた砂質土壌への吸着特性予測は、実測特性と一致しなかった。このことは、可成性による直接予測ができないことを示している。一方、土壌成分及び砂質土壌の陽イオン交換容量を用いて補正した場合、可成性により予測した特性は実測値と一致した。このことから、砂質土壌への吸着においては陽イオン交換容量は重要な因子である。
田中 忠夫; 神山 秀雄
JAERI-M 93-035, 22 Pages, 1993/03
ネプツニウム(V)とアルセナゾIIIとの錯形成による呈色反応を利用して、吸光光度法による水溶液中微量ネプツニウム(V)の連続定量を試みた。容量300lのフローセルへ、pHを4.3に調節した酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液中のアルセナゾIII210Mとネプツニウム(V)110~110Mをそれぞれ0.5ml/minで送液し、650nmでの吸光度を検出した。種々の土壌試料からの溶出イオンの共存下で、10~10Mのネプツニウム(V)の連続定量が可能であることを確認した。本法を砂質土壌層中におけるネプツニウム(V)の移行実験に応用した。測定された砂質土壌層流出液中におけるネプツニウム(V)の濃度は、放射能分析との比較で良好な結果が得られた。
田中 忠夫; 神山 秀雄
JAERI-M 91-118, 13 Pages, 1991/08
青森県下北地方の代表的である砂岩、擬灰岩および砂質土壌を用いて、アメリシウムおよびプルトニウムのバッチ法による分配係数測定実験を行った。アメリシウムおよびプルトニウムの分配係数は、吸着反応開始時の人工地下水のpHおよび固液分離条件によって影響を受けることを見出した。これに基づき、地層中を移行できる化学種は地層の間隙径、浸透水のpHなどによって異なるので、分配係数は地層間における核種の移行経路によって変化することを示した。天然バリア中におけるTRU核種の移行評価に用いるのに妥当な分配係数を得るためには、地層構造、各地層の物理的・化学的特性および移行経路を考慮した実験条件を選定することが必要であると結論した。
大貫 敏彦
Mater. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 212, p.609 - 616, 1991/00
高pH溶液中SrとCsの砂質土壌中移行特性をカラムおよびバッチ法により検討した。砂質土壌中構成物質のSrとCsの吸着への寄与度を連続抽出法で調べた。その結果、Srの吸着にはカオリナイト、クロライト、セリサイトおよびマンガン鉱物が寄与する。Srは砂質土壌中を移行する際、吸着・脱離を繰り返す交換可能な移行形態を示した。一方、Csの吸着にはカオリナイトとセリサイトが寄与していた。Csは移行する際、ほとんどの部分は脱離し難い吸着形態を示した。
田中 忠夫; K.Sriyotha*; 神山 秀雄
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management: RECOD91,Vol. 2, p.1011 - 1016, 1991/00
堆積層中のTRU核種の移行挙動を検討する準備段階として、移行化学形のわかりやすいCo、Sr及びCsの収着移行メカニズムについて研究した。下北のLLW最終貯蔵予定地周辺から採取した砂岩、凝灰岩及び砂質土壌を用いたカラム移行実験を行い、核種による移行挙動の違いを調べた。さらに、各核種の移行を支配する収着メカニズムを明らかにするため、収着試料についてCaCl、KCl、NHOH・HCl、K-Oxalate、HO-HNOの各水溶液を用いたバッチ法による化学抽出を行なった。移行性の大きなSrは、各試料に収着したSrのほとんど全てがCaClによって抽出され、可逆的なイオン交換反応に支配されることが見い出された。一方、CoはNHOH・HCl及びK-Oxalateによって、またCsはKClによって主に抽出され、それぞれFe及びMn酸化物への収着及び粘土鉱物層内への内部収着に基づく非可逆的な反応が支配的であるため、移行性が小さいことが明らかとなった。